それは深呼吸のようなもので

キロク。キオク。

デスノート 大阪

書けばいいのにサボっていました。
自分的によろしくない。ということで…

まるでですのしか見てない人のようですが(笑)

大阪デスノ
日生での観劇から約1ヶ月

前回のメモ
http://xxxexxx.hateblo.jp/entry/2015/04/16/170149

東京公演前半だったので、そこから進化したまま
約二週間の間もまるで続いてたかのような
0カラではなく、進化したところから
さらに進化を続けたデスノカンパニー。

新鮮さと驚愕の進化に圧巻された大阪初日。
そして日々変化するあっとうてきな存在感の役者たち

梅芸は響く。かなり音が響く。
日生で聞き取れなかった歌詞が明確になり
アンサンブルも一人一人の声やオフマイクが
かなり聞こえてくるようになっていた

照明が日生よりも明るいのかテニスシーンで
ボールの線がみえなかった…


小池Lが感情を持つようになった気がした
たんたんと無機質に歌うLだから
グレーな捜査があり、ある種キラを理解できる
そう思っていた

けれど、歌に感情がはいることで
彼が何故顔をだそうと思ったのか
彼が時折起こす人間らしい行動や発言が
理解できた。



浦井ライトは進化に進化を遂げていた。
2幕、彼はミサとLを対面させる。
そのあとの不敵な笑み、勝利を確信し、喜びを隠しきれず狂ったのように笑い、狂気の沙汰だというような声をあげる。Lに電話に出られ怒りをおさえこむ。
そのままレムに怒りをぶつけ、Lを殺そうとする。
そして、埠頭の倉庫。
彼はどうなるのだろうか。どこまで狂うのか。
いつ彼がライトに戻るのか。
毎公演違う芝居に狂い方に恐怖を感じつつも
この人はどうなるんだ、この人凄すぎる
も相まってワクワクがとまらなかった。
ポカーンとして、にやにやして、
初見かのようにのめり込んでみていた。

東京とは違う、哀しく虚しいキラのラストシーン。

今更ながらに
柿ライトはキラに成り上がり祀り上げられて
でもふと糸が切れたようにライトに戻ったから
ラストにくるしい痛いって思ったんだ。
それは、人間に戻ったから

浦井ライトは今回その感覚にならなかった
キラとライトが共存し危うさをもつ人
そして俺が神だと先頭に立ったのだ
ある種の虚しさを感じたのは 彼自身に恐怖を
感じていたからだろう


そして、レム
東京でも人間らしいレムを見たと言う人もけれど
私は見ていなかったので
大阪のレムは凄かった…。


レムは、憂いをおびている。
2幕、捕まったみさに
死ななくてもいい方法があると問いかけるレム。
みさ…と呼ぶ声が母親ノようだったり
囁くようだったりと様々で。
記憶をけした瞬間顔の前にあった手がふるえていた
レムは消してしまったのだ…震えていた
そして歌い出したレムのナンバーは 圧巻だった
母性、人間らしさを知ってしまった死神
感情をもってしまった死神
愛を信じない彼女が、愛に生き愛してるよと歌う
その葛藤も答えがない愛という行為も
初めて知った彼女が歌うと
聡明な美しいものにかんじたのだ。
哀しい愛おしいそんな真逆の感情をもつ歌。

無償の愛。
その形のひとつをみた

だからこそ、キラが
Lの名前をかけというとき
レムに感じたのは悲壮感ではなく
超越した一種の覚悟のようなものだった。


お芝居のおもしろさはキャッチボールだと思っている
生身の人間が感情をもって演じるからこそ
同じ板の上で感情が伏線になったり
知らないところでつながっていたり
ダイレクトに反応したりする

夕食によばれたライトが早く書くんだ!と
勢い良くドアをしめる
その音が強ければ強いほどレムがかわいそうになる


夜神総一郎、鹿賀ぱぱ。
賛否両論があるのは知った上で書くと
私は大阪で夜神総一郎が大好きになった。
父性が増し、彼の人間らしさが物語の哀しさを強めた

息子を疑われたときかばい迷う
涙ながらに、もしもあの子がと歌う。
そして、一人の親としてみさへの仕打ちはありえないという。
刑事たちに残るから考えろと言い残した彼も父親だ
そして悩み去った者も残ったものも父親だ。
夜神総一郎が父親として歌う二幕のなんばーは
一幕の刑事たちを思い出させた。
そんな繋がりが家族を思う普通の人間の感情が
すーっとつながった。
みさへの仕打ちも、
刑事たちには耐えられなかっただろう、子を持つ親として。
だとしたら、夜神総一郎は刑事であり父親であり人間であった。
その葛藤と父親として息子を信じたい気持ちと
そう育ててしまった自分の不甲斐なさと
それを背負ったレクイエムの夜神総一郎
とてもとても小さく見えた。


弥海砂
二幕の捕まったあと、
いつだったか、泣きながら歌っていた。
精一杯の強い強い声で、記憶を消すことに
いえす!といった。

正直、周りが見えないほどキラに陶酔し
愛している彼女に疑問をかんじることもあったが
その日は何がなんでも誰より愛してるという
気持ちがわからなくもない。
そして、裏切るならばという気持ちも彼女なりの
不器用ながらにも愛情表現だとしたら
それはとても切なかった。
この彼女の涙ながらのデスノートとの決別をみたあとに
レムにあんな歌を歌われたら泣かないわけにはいかない


それから
刑事たちのセリフの間や
夜神総一郎とのやり取りのテンポ感が
なんとなく違う気がした。
それによって臨場感や焦り、戸惑い、恐怖が
より拡張されて…
それはそれは一線を超えるか悩み歌う彼らに涙した

降りると決めた者も
きっと苦しかったのだ。
残ると決めた者も
苦しかったのだ。


リュークの安定感はばつぐんで
りんごが落下しかけたりとあったが
それでもやはりあの存在感と あれだけ遊びがあるのに
きちんと場をしめる力のある芝居
メリハリのある役者はすごい。
場の空気をかえるのだ。